↓邦題「狙われた５人の美女」
↓マリー・グレース役のジュリー・ソマーズ
↓ジョイ役のデニース・ニコラス
↓ドリアン役のジョーン・ハケット
↓グロリア役のステファニー・パワーズ
↓ルーシー役のアン・ジャネット・カマー
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テレフィーチャーは、高校生の頃にゴールデンタイムの
洋画劇場枠で沢山見ましたが、
この作品も、その頃見たテレフィーチャーの１本です。
当時は、テレビ朝日（当時はＮＥＴと呼称）のみ、
１時間半枠の土曜映画劇場と、２時間枠の日曜洋画劇場を持ち、
他の局は２時間枠のみを、ゴールデンタイムに持っていました。
そのため、１時間半枠用に制作されたテレフィーチャーは、
土曜映画劇場でのみ放映され、２時間枠用のテレフィーチャーが、
日曜洋画劇場を始めとする各局の洋画劇場枠で放映されました。
「狙われた５人の美女」も、土曜映画劇場で放映された１本です。
（例外として、「惑星テラ」は、ＮＨＫで放映されました。）
土曜映画劇場は１９７７年前半で終了し、
その後の２時間サスペンスドラマブームの先駆けとなった、
土曜ワイド劇場がスタートしました。
当初は、土曜映画劇場と同じ１時間半枠でした。
テレビで放映される映画が底をつき、穴埋めとして作った
テレフィーチャーから、思わぬ傑作を生み出したアメリカと同様、
日本でも、傑作テレフィーチャーを作る狙いが、当初はありました。
「狙われた５人の美女」は、大学時代に大の仲良しだった
５人の女性が、５年ぶりの同窓会を、３日間に渡って孤島で行う、
という内容がメイン・プロットの話です。
そこに殺人事件が絡み、その犯人探しを縦糸として話が展開します。
最初、５年ぶりの再会に、喜びはしゃぐ５人の仲良しぶりを描き、
殺人事件を契機として、５人の現在の暮らしぶりが、
顕になっていく過程を、横軸として描いています。
大学を卒業してからの５年間で、５人の女性に様々な困難が
降りかかり、荒んだ生活に陥っていた事が顕になり、
大の仲良しぶりが上辺を繕うだけだったという展開に、
当時高校生だった私は、夢中になりました。
同じようなテーマの映画を、当時見ていなかったからだと思います。
今回、久しぶりに見直しても、犯人探しのミステリーより、
５人の女性の性格が、次第に顕になっていく過程の方が、
面白く出来ている作品である事を、再確認しました。
それは、５人の女性が、みんな個性的だからでしょう。
最初に登場するジュリー・ソマーズ扮するマリー・グレースは、
見るからにお嬢さん然としています。しかし、その実態は、
認知症の母親を、世間に認知症と知らせないために、
会話のお芝居を演じ、それに疲れきっている生活です。
女優になったステファニー・パワーズ扮するグロリアは、
わがままを絵に書いたような振る舞いをします。
夫と双子の家庭を持つと言っていたジョーン・ハケット扮する
ドリアンは、あるきっかけから、独身の寂しい生活をしている事が、
バレてしまいます。夫の浮気が原因で、アルコールに頼るように
なったアン・ジャネット・カマー扮するルーシーは、
サナトリウムに２度も入るほどのアル中である事が分かります。
クラスで成績がナンバーワンだったデニース・ニコラス扮する
ジョイは、大学が斡旋した会社を辞め、貧しい生活から逃げる
ように、寝た男から金を貰う生活を送っています。
誰もが、大学時代のお嬢さんではいられない、社会の荒波を経験
しています。だからこそ、殺人事件とその犯人に対して、
勇気を持って立ち向かえるのでしょう。
このようなテーマの作品が、その後の２時間サスペンスドラマに
あったのかどうか、２時間サスペンスをほとんど見ていない私には、
判りません。もし無ければ、現代の人気女優を５人集めて作ると、
面白い作品が出来上がるかも知れません。
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