DVDで見れない傑作映画

 ノストラダムスの大予言(1974)

 「ノストラダムスの大予言」は、当時の大ベストセラーを、
 「日本沈没」のスタッフが映画化した大ヒット作です。
<関連作品の紹介あり>

管理人:タッキー

最新更新日:
2017年9月30日

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 ↓映画パンフレットより
表紙 表紙P14
1974年夏休みに公開された映画「ノストラダムスの大予言」は、
以下の2シーンが、原爆症の奇形をデフォルメしていると、
被爆者団体や反核団体が、同年11月に東宝に抗議をしました。
1、成層圏の放射能が一気に降下し、ニューギニアの原住民が被爆、
  食人化して探検隊に襲いかかるシーン。
2、近代文明が核戦争で滅亡した後に、
  放射能で異形の姿となった新人類のデザイン。

1980年のテレビ放映時には、2がカットされましたが、
1はカットされずに放映されました。
そして、1986年には、ビデオとレーザーディスク発売直前に、
自粛という形で、発売中止となりました。
従って、DVD化もされていません。
1、2、をカットした海外版ビデオと、ノーカット版の海賊版ビデオ、
音声のみを収録したサウンドトラック版が、
発売されたソフトのすべてです。

テレビ放映は、放映時間の制約から、
映画はカットされるのが当たり前ですが、
ビデオ等のソフトの場合、日本では、ノーカット版が前提となります。
1、2をカットしたソフトを発売するくらいなら、発売しない方が良いと、
東宝のスタッフが決断したのも、当然です。
ましてや、2はクライマックスなので、カットされたら、
話が繋がらなくなります。

海外版は、映画館上映時ですら、日本の娯楽映画は、
カットするのが、当たり前です。
日本映画における、本国と海外の扱いの差が、
皮肉な形でソフト発売の是非(国内版は、発売中止。
海外版は発売可能。)となって現れた、稀なケースです。

この映画は、見る機会がほとんど無い映画なので、
初めから、ストーリーの一部を、書きました。
私も、映画公開とテレビ放映で見た記憶と、
40年弱ぶりに読んだ映画パンフレットを元に書いています。

なお、パンフレットには、1、2のシーンの画像は、載っていません。
2は、映画を見た時から、記憶が鮮明に残っています。
1、は忘れていましたが。

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目次
 1、DVD化に関するアンケート調査・映画やホームページに対する意見や感想
 2、DVD化された関連作品の紹介

1、DVD化に関するアンケート調査・映画やホームページに対する意見や感 想

  DVD化に関するアンケート調査


DVD化を検討するメーカーへの参考になるよう、
被爆者団体や反核団体が抗議した2シーンの
カットの方法と、海外版の仕様に対し、
左記のアンケートに御協力下さい。

アンケートフォーム内から、1項目のみを選択し、
投票するボタンをクリックして下さい。

1つのアンケートフォームに対し、
重複選択は、禁止になっています。

「結果」をクリックすると、
投票結果を閲覧出来ます。

上記アンケートで、カット版(A~Cを選択)した
方は、購入しても良い価格帯を、
下記のアンケートフォームの、
A~Cに対応する価格帯から、
1価格帯のみを選択し、
投票するボタンをクリックして下さい。

上記アンケートで、海外版を選択(Dを選択)
した方は、購入しても良い価格帯を、
下記のアンケートフォームの、
Fに対応する価格帯から、
1価格帯のみを選択し、
投票するボタンをクリックして下さい。

1つのアンケートフォームに対し、
重複選択は、禁止になっています。

「結果」をクリックすると、
投票結果を閲覧出来ます。

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2.DVD化された関連作品の紹介

お勧めDVD&BD
DVD

BD

映画「ノストラダムスの大予言」の関連作品の筆頭は、
やはり、前年暮れに大ヒットした「日本沈没」(1973)でしょう。
有名な作品なので、御覧になっている方も多いと思います。
参考までに、右に載せておきます。

「ポセイドン・アドベンチャー」(1973)と共に、映画好きになる
きっかけとなった作品で、テレビ放映時には、録音した音声を、
繰り返し聞いていました。全編・後編に分けて放映されたので、
残った時間を利用して、後解説では、原作者の小松左京さんが、
高島忠男さんと楽しい対談をしていました。

陸続きの国境が無い島国である日本列島で、ぬくぬくと育った
日本人が、日本列島が沈んだ後、海千山千の外国人の中で、
生き抜いて行けるのかというテーマには、普遍性があります。
成熟した文化・文明を持つに至った日本人にとって、
欧米は憧れの対象ではなくなり、海外赴任を希望する若者は、
減少の一途を辿っています。そんな現代において、このテーマは
更に重みが増しているように感じられます。
経済のみグローバル化が進んでも、解決するテーマではありません。

リメイクされた「日本沈没」(2006)は、私と同じく、オリジナルの
音声を繰り返し聞いていたという樋口真嗣が、監督しました。
しかし、上記のテーマ性が姿を消し、主人公の若者男女2人の行動
に焦点を絞った展開になってしまい、残念な出来です。
制作したテレビ局のTBSは、映画製作に対しても、永年培った
ドラマ作りの手法を取り入れていて、秀作も多いのですが、
「日本沈没」に関しては、その悪い面が出てしまいました。

「ノストラダムスの大予言」のように、世界規模の大災害を扱った
作品として、お勧めしたいのは、同じ小松左京原作の
「復活の日」(1980)です。左に載せて、紹介致します。
角川映画には、空虚な大作が多いという印象がありますが、
この映画だけは別です。欧米のスター・俳優が、
日本人以上に多く出演し、日本映画であるにも関わらず、
セリフの8割以上が英語という野心作です。

この後は、ストーリーの一部を書くので、気を付けて下さい。
イタリア風邪が蔓延し、医者や看護師を含めて世界中の人々が、
次々に死んでいく前半は、息を付く間もないスピーディーな展開
です。この部分のみ、日本がメインの舞台になっているためか、
妙にリアリティがあり、私は、風邪で高熱が出た時に、
必ずこのシーンが脳裏を過ります。

イタリア風邪の原因が、ワクチンがまだ開発されていない
細菌戦争用の新規ウィルスである事が判明し、そのウィルスが、
極寒の地では繁殖しない事が判った時は、既に手遅れでした。
南極に残された863人にすべてを託して、滅びていく人類の
象徴として、ホワイトハウスが登場する中盤に、
この映画の真骨頂があります。

アメリカ映画でも滅多に見られない、大統領や上院議員・将軍との
会話では、グレン・フォードやロバート・ヴォーンと言った俳優達
の名演技が光ります。ローランド・エメリッヒが監督した「デイ・
アフター・トゥモロー」(2004)や「2012」(2009)を始めとする
世界規模の大災害を扱ったアメリカ映画では、観客の目線を重要視
するあまり、主人公の行動に焦点を絞ったストーリー展開に陥り、
「復活の日」のような大局的な描き方が、不足していました。

南極に残された各国の代表が、最初は反発し合いながらも、
運命共同体だと理解してから、ウィルスの究明・対策を始めとする
諸問題に、一致団結して取り組む後半も、見所満載です。
現在も、世界各地で紛争が絶えないのは、地球が運命共同体だと
いう理解が足りないのでしょう。

抗ウィルス薬の生成に成功してからも、南極以外の人類が全滅した
世界で、地震による核ミサイルの自動発射装置が作動する終盤では、
「ノストラダムスの大予言」と同様、核戦争後の荒れ果てた世界が
映し出されます。ハッピーエンドとは対極の内容のためか、
期待したほどのヒットにはならず、大予算の製作費を
回収出来なかったため、その後の角川映画は、大作路線を止めて、
プログラムピクチャーの制作に移ります。

「復活の日」は、角川映画の大作路線の集大成であると同時に、
リアリティを持って大局的な見地から描く事が得意な日本SF映画
の中でも、最高峰の傑作だと思います。
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