↓原題「A CASE OF RAPE」
↓邦題「私は犯された~エレン夫人の裁判」
↓傷を撮影されるエリザベス・モンゴメリー
↓証言席に座るエリザベス・モンゴメリー
↓夫役のロニー・コックス
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1974年に制作されたテレフィーチャーですが、レイプに関する
実態について、正面から取り組んだ初期の代表作です。
レイプ事件が実証されにくい現実を直視している点で、
2年後の1976年に劇場公開された「リップスティック」を、
超える出来になっています。
「リップスティック」は、娯楽性を重視し過ぎたためか、
レイプされた女性の感情が、怒りとなって
爆発し過ぎていました。御都合主義の結末も、残念でした。
この作品は、レイプ事件が実証されにくく敗訴になりやすい点、
犯人に対して好意を持っていると疑われやすい点、
裁判になると、レイプされた女性の過去の恋愛履歴について、
洗いざらい公表されてしまう点、
そのため、夫婦仲にも亀裂が生じる点について、
ディスカッションドラマとして、詳細に描かれています。
予算に限りがあるテレフィーチャーでも、ディスカッションドラマ
のジャンルでは、優秀な作品を制作する事が出来ます。
レイプ事件を扱った映画は、時代を経て変化して行きました。
1988年の「告発の行方」では、レイプを煽り立てた男たちを、
告発出来るまで、レイプ事件が実証されるようになりました。
2005年の「スタンドアップ」では、1988年に行なわれた
世界初のセクシャルハラスメント訴訟を題材にした映画です。
こうして、女性の権利は、レイプ事件だけではなく、
セクシャルハラスメントに関する点でも、向上して行きました。
この流れを逆手に取って、痴漢冤罪をテーマにしたのが、
2007年の日本映画「それでもボクはやっていない」です。
しかし、1972年に、その源流であるレイプ冤罪をテーマにした
「赤い体験~セックスジャック」が、
テレフィーチャーとして、制作されています。
私は、1975年に日曜洋画劇場で、「私は犯された~」を見て
間もなく、土曜映画劇場で「赤い体験~」も見ています。
「赤い体験~」は、レイプ犯の容疑をかけられた兄に、
周囲が冷たい視線を浴びせる中、ただ一人無実を信じる妹の姿が、
感動的でした。そして、この内容には結びつかない
不適切な邦題に怒りを感じました。
その点、「私は犯された~エレン夫人の裁判」は、
内容を適切に表現した邦題だと思います。
主演のエリザベス・モンゴメリーは、TVシリーズ「奥様は魔女」
のサマンサ役で、コメディエンヌの才能を発揮していますが、
その役のイメージを払拭する熱演を見せています。
今回見直しても、裁判場面は、理に適った展開でした。
現在目線で見ても、十分楽しめる内容なので、
ビデオ化も、DVD化もされていないのが残念です。
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