↓原題「HELLO EINSTEIN」
↓邦題「ハローアインシュタイン」
↓日食での証明を語るアインシュタイン
↓マスコミに追い回された時の表情
↓原爆への応用を恐れるキューリー夫人
↓ルーズベルト大統領との会談
↓放射能の恐怖を語るアインシュタイン
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現代物理学者の伝記映画としては、「キューリー夫人」(1943)が
有名です。「キューリー夫人」は、実験を積み重ねて、
天然ウランから未知の放射性元素ラジウムの分離に成功する過程を
中心に描いた作品なので、映像化しやすい題材でした。
加えて、同じ目的で研究していたピエールとの結婚や、お互いを
励まし合いながら実験・研究を進める姿を描いているので、
伝記映画として描きやすい半生であり、早くに映画化されました。
これに対し、アインシュタインの相対性理論は、机上の研究を
基にし、その証明も机上で行う純粋な理論物理学の世界なので、
映像化が難しく、本格的な伝記映画は劇場公開されていません。
テレビ放映されたテレフィーチャーの本作だけです。
本作は、１時間枠（ＣＭを除くと４３分程度）で３回に分けて放映
された三部構成の作品です。日本放映時には、漫画家の巨匠
手塚治虫氏による解説が、各回に２分程度付いていました。
第一部は、少年時代のアインシュタインが成長し、特許局で働く
傍ら、特殊相対性理論を発見するまでを描いています。
特殊相対性理論の中でも有名なのは、光速に近づくほど、
時間の経過が遅くなるという理論です。
「後に、人口衛星に乗せた電子時計が、
地上の電子時計と比べて遅れる事実により、実証された。」
と、手塚治虫氏が解説で述べています。
手塚治虫氏は、特殊相対性理論を、次のように比喩もしています。
「恋人といる時は５分でも短く感じるのに、熱いストーブの上に
座れば１分でも我慢出来ないほど長く感じる。」
このように、比較的簡単に比喩出来る内容なので、
この作品の中でも、比喩で説明しています。
第二部では、ドイツの研究所所長となったアインシュタインが、
一般相対性理論を発表します。特殊相対性理論と比べて難解な
この理論は、ニュートンから始まる古典物理学を根底から覆す
内容なので、学会からは相手にされません。
物体の質量が増大すれば、それだけ周りの空間を歪めるという
この理論は、皆既日食の際に天文台で撮った写真において、
太陽の近くに見える星が歪んで写っている事で証明されます。
一躍世界的有名人となったアインシュタインは、
マスコミに追い回され、自宅での研究に没頭出来なくなり、
世界中に招かれて旅行します。日本旅行中の彼の元に、
ノーベル賞受賞の連絡が入りますが、受賞対象が一般相対性理論
ではなく、特殊相対性理論の一端である光量子仮説を基にした
「光電効果」でした。近年の青色ＬＥＤのノーベル賞受賞でも
判るように、ノーベル賞受賞までには長い年月がかかります。
第三部では、ユダヤ人であるアインシュタインが、ユダヤ人弾圧
を続けるドイツ国籍を捨て、アメリカ国籍になります。
第二次世界大戦が勃発し、助けを求めるユダヤ人達を救済して
欲しいと、親交のあるルーズベルト大統領に嘆願します。
アインシュタインは、最も恐れていた、特殊相対性理論の帰結の
ひとつであるＥ＝ｍｃ２（２乗）の式を証明する事となる原爆の
開発を、ドイツが行っている事を知ります。
ドイツが原爆を独占すれば、世界が崩壊すると考え、
原爆の開発をルーズベルト大統領に進言するアインシュタイン。
マンハッタン計画が動き出します。
しかし、ドイツは、原爆を開発する能力が無い事が判ります。
今度は、原爆の開発を中止するようルーズベルト大統領に進言
しますが、大統領が無くなり、マンハッタン計画は続行されます。
この件は、「デイ・ワン～衝撃・悪夢の選択」(1989)で詳しく
描かれているので、この映画のページを御参照下さい。
水爆が開発され、その放射能汚染の危険を訴えても、もうろくした
老人の戯言に受け取られてしまうアインシュタイン博士。
彼は、自らの理論が応用されて原水爆が出来た事を後悔しながら、
そっと息を引き取ります。
アインシュタイン博士の業績よりも、２度の世界大戦という歴史に
翻弄される姿に焦点を当てたこの作品は、
相対性理論を知らなくても楽しめる伝記映画であると同時に、
現代史映画でもあります。ビデオ化もＤＶＤ化もされていない
このような作品こそ、是非ＤＶＤ化して欲しいです。
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デ
イ・ワン～衝撃・悪夢の選択
アメリカの原爆開発と、日本への原爆 投下を描 いたドキュメンタリードラマ
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