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「プリンス・オブ・シティ」は、警察の同僚達の汚職を調査する
警官の苦悩を描いた実話の映画化です。
1960年代~80年代前半は、社会的メッセージ性がある映画を
エンタテイメント性と両立させて描く事が、
アメリカ映画の、得意分野のひとつでした。
特に、1981年制作・1982年日本公開の映画には、
この分野の秀作が目立ちました。
まず、アカデミー賞の本命と噂された2本の映画があります。
1本は、ウォーレン・ビーティ制作・監督・脚本・主演で、
ロシア革命を記録したジャーナリストを描く3時間を超える大作
「レッズ」です。もう一本は、老夫婦の死への恐怖や、親子の
確執と和解を描いたヘンリー・フォンダの遺作「黄昏」です。
しかし、実際にアカデミー作品賞を受賞したのは、当時日本では、
下馬評のあまり高くない「炎のランナー」でした。映画を見れば、
アカデミー作品賞に値する作品である事が判ります。
この3本や、情報操作による報道被害をテーマにしたポール・
ニューマン主演の「スクープ/悪意の不在」は、DVD化されて
います。しかし、第4号で取り上げた「この生命、誰のもの」や、
この「プリンス・オブ・シティ」は、DVD化されていません。
(「プリンス・オブ・シティ」のビデオ化はされました。)
同じシドニー・ルメット監督が、警察の汚職をテーマに撮った
「セルピコ」(1973)、「Q&A」(1990)、「NY検事局」(1997)
がDVD化されているのに、何故でしょう。
有名俳優が出演していない事や、3時間近い長尺であるため、
公開当時ヒットしなかった事が一因だと考えられます。
当時住んでいた北関東では公開されなかったため、
新宿歌舞伎町の何軒も繋がっている映画館まで見に行った
記憶があります。
さらに、登場人物が多岐に渡り、一度見ただけでは細部まで
判りにくい事が挙げられます。しかし、主人公の苦悩だけは、
一度見ただけで鮮明に印象付けられます。
法律を犯さなければ、麻薬ルートを調査する潜入捜査が出来ない
麻薬特捜班の主人公の警官は、それが必要悪だと信じています。
捜査のために自由行動権を与えられている麻薬特捜班が、
「プリンス・オブ・シティ」と呼ばれている事が、
この映画の題名の由来です。
検事に協力を求められた主人公は、必要悪とは思えない汚職警官の
潜入捜査を、最初は正義のためと自信を持って行っています。
しかし、同じ麻薬特捜班の仲間達まで摘発され、仲間が自殺したり
自身が告発されるに至って、自分の行動に自信が持てなくなり、
検事の操り人形にされていると思い悩む姿は、痛々しく感じます。
このような映画こそ、何度でも繰り返し見て、
細部まで確認したいので、是非DVDして欲しいものです。
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