↓原題「THE STRANGER」
↓邦題「惑星テラ」
↓主役ニール・ストライカー役のグレン・コーベット
↓医師リビア役のキャメロン・ミッチェル
↓指導者ベネディクト役のディーン・ジャガー
↓助手メートル役のティム・オコナー
↓ニールを助ける老人マコーリー役のリュー・エアーズ
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SF映画は、現在もリメイク・シリーズが続いている「猿の惑星」
(1968)の第一作が大ヒットするまで、怪物が登場するホラー映画と
同一視され、世間一般からはゲテモノ扱いされていました。
SF映画の本領である、奇抜なアイデアを元に展開する作品は、
潜在意識が作ったイドの怪物が登場する「禁断の惑星」(1956)、
人間の体内へミクロ化して手術する「ミクロの決死圏」(1966)、
本が無くなる社会を描いた「華氏451」(1966)
ぐらいしか、それまではありませんでした。
「猿の惑星」の後、「スターウォーズ」(1977)の第一作が登場する
までは、SF映画の本領を発揮した作品が増えました。
コンピューターの反乱を描く「地球爆破作戦」(1970)、
人口爆発を抑制する出産制限を描く「赤ちゃんよ永遠に」(1971)、
宇宙からの病原体を徹底究明する「アンドロメダ…」(1971)、
食糧危機を解決する手段が恐ろしい「ソイレントグリーン」(1973)
アミューズメントパークでアンドロイドが反乱する
「ウエストワールド」(1973)等、沢山の作品が公開されました。
この時期を、私はSF映画の第一次黄金時代だと思っています。
「スターウォーズ」以降の5年ぐらいは、同系列のスペース・
ファンタジーが増え、SF=スペース・ファンタジーの略と揶揄
されました。しかし、1980年代中盤~後半にかけては、
再びSF映画の本領を発揮した作品が増えました。
この時期を、私はSF映画の第ニ次黄金時代だと思っています。
1985年の「砂の惑星」「2010年」「スペースバンパイア」
1986年の「スペースキャンプ」「ショート・サーキット」
「ダリル」「ナビゲイター」等です。
しかし、1993年の「ジュラシック・パーク」以降、SF映画は、
CGによるVFX効果に頼る作品が増えました。
21世紀に入ると、「ハリーポッター」シリーズに代表される
ファンタジー映画に押され気味になりました。
ファンタジー映画ブームが一段落すると、
今度は3D映画がブームとなり、SF映画は、
増々VFX効果に頼る作品が増えてしまいました。
SF映画の本領である、奇抜なアイデアを元に展開する作品が
少なくなっているのは、残念です。
ここ10年では、人間の寿命を残り時間で表し、通貨の代わりに
売買する「TIME」(2011)、死ぬ度に再生して同じ時間を生き、
戦い方を学習して強くなる主人公を描いた「オール・ユー・
ニード・イズ・キル」(2014)、人工冬眠による宇宙移民を描いた
「パッセンジャー」(2017)が、奇抜なアイデアでした。
テレフィーチャーでも、SF映画の第一次黄金時代には、
奇抜な作品がありました。それが本作です。
日本未公開で、テレビ放映された「決死圏SOS宇宙船」(1969)は、
奇抜なアイデアを元に展開する作品の代表です。しかし、結末を知ってから
2度目に見ると、地球によく似た惑星に着くまでに、
全編の7割ぐらいが割かれ、その展開が凡長で退屈です。
地球とある1点を除いて全く同じである事が、到着してから、
ストーリーを上手く盛り上げる際にネックになったのだと思います。
本作は、この日本未公開作を元にしつつも、上記の点を反面教師に
して、作品が始まるとすぐに、地球によく似た惑星に不時着します。
地球によく似た惑星であっても、違いが作品の冒頭で示され、
アメリカから見た当時のソ連を思わせる、完全管理体制の
社会構造が明らかにされています。
完全管理体制にとって異端者となる宇宙飛行士が追い詰められ、
脱出を試みる展開には、当時の米ソ冷戦体制が窺われます。
製作費が少なく、大規模なセットや特撮を使えない
テレフィーチャーでは、奇抜なアイデアを元にした展開に
頼るしか無い事が、SFとして良い方向へ働いた作品です。
「決死圏SOS宇宙船」は、DVD化されているので、
ビデオ化もDVD化もされていないこの作品も、
是非、DVD化して欲しいと思います。
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