DVDで見れない傑作映画

 YAWARA!(1989)

「YAWARA!」は、田村亮子のニックネームとして親しまれる前に
人気コミックを浅香唯主演で映画化したアイドル映画です。

管理人:タッキー

最新更新日:
2022年5月20日

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人気コミック「YAWARA!」は、2年続いたアニメシリーズとして、
一般的に認知され、田村亮子のニックネームにもなりました。
しかし、アニメシリーズが始まる半年前に、浅香唯主演で映画化
されている事は、一般的には、あまり知られていません。

連載コミックの前半で、いち早く映画化に着手したのは、
映画業界への進出に熱心だったマイカルグループです。
その後、日本初のシネコン「ワーナーマイカルシネマズ」を作って
全国展開しました。先頭に立ってシネコンを普及させ、
地方の映画ファンに、老朽化した地方の映画館では得られない、
映画を最新設備の劇場で見る楽しさを、浸透させました。

1989年当時は、バブル経済の絶頂期で、斜陽著しい映画業界へ
異業種から参加する企業が、沢山ありました。
しかし、そのほとんどは企業名をPRする事が目的です。
映画作りのノウハウを持たない企業は、
宣伝活動の一環として迎えたタレントに初メガホンを持たせて、
商業映画としては通用しない自己陶酔的な映画を、量産しました。

しかし、マイカルグループは、配給を東宝に任せるだけでなく、
映画制作においても東宝映画と提携し、映画作りのノウハウを
活かして、良質の娯楽映画「YAWARA!」を作りました。
いち早く異業種に門戸を開いていた東宝だからこそ出来る提携です。

前年末に「快盗ルビイ」を見て、ジメジメとした当時の日本映画
とは無縁のライトなタッチで、爽やかな気分になった私は、
同じ感じがする「YAWARA!」を見に、映画館へ足を運びました。
そして、また爽やかな気分で、映画館を出る事が出来ました。

小学生の頃、「巨人の星」等のスポ根アニメを斜めに見ていた私は
根性の押し売りが大嫌いです。
この映画では、普通の女の子になりたいのに、柔道が強すぎて困る
主人公の猪熊柔が新鮮で、チャーミングです。
そう思う人は多く、原作コミック、アニメとも大ヒットしました。

映画の前半は、小林桂樹扮する祖父の猪熊滋悟郎の
ハゲかつらメイクや、長身の高校柔道部キャプテンの
オーバーアクション等、コメディ色が目立ちます。
しかし、背が低く華奢な浅香唯扮する高校生の猪熊柔が、
いとも簡単に長身の男どもをバッタバッタと投げ飛ばしながら、
平然としている姿は、爽快です。

今日の視点で映画の前半を見直すと、コメディ色が強いのは、
バブル経済の浮かれ気分が現れているようにも見えます。
しかし、猪熊柔が、弱い高校柔道部のコーチを引き受ける事になる
映画の中盤から、そんな邪推は吹っ飛んでしまいました。

自身の公式戦そっちのけで、高校柔道部の予選一回戦の応援に
駆けずり回る猪熊柔の姿に、感情移入している自分に気づきました。
猪熊柔が、弱い高校柔道部を鍛える場面がシリアスだったら、
感情移入出来なかったでしょう。コメディタッチで前半を
見せているからこそ、この映画の世界に引き込まれていきました。

コメディタッチで前半を見せながら、中盤以降のストーリーへと
流れる展開は、昨今の「テルマエ・ロマエ」シリーズ(2012,2014)
や、「コンフィデンスマンJP」シリーズ
(2019,2020,2022)に継承されている手法です。

背が低く華奢な身体から溢れるパワーで見る者を元気にさせる
浅香唯は、猪熊柔のイメージにぴったりです。
高飛車な発言をし、自らの信念を貫き通す浅香唯のキャラクターも
猪熊柔と重なって見え、主人公と演じるアイドルが幸福な出会いを
したアイドル映画だと思います。

アイドルが最も輝いていた1980年代。その最後のスーパーアイドル
である浅香唯が、人気絶頂の頃に主演した映画です。
(グループでは、Winkが最後になりますが。)
1970年代初頭、歌謡映画の流れを汲んでスタートした
アイドル映画は、紆余曲折の末、最後の傑作アイドル映画
「YAWARA!」を産んで、アイドル映画全盛時代を終えました。

アイドル映画は、主演するアイドルの魅力を100%引き出す事が
目的であり、主人公の猪熊柔と主演の浅香唯のキャラクターが
一致しているこの映画は、その目的を十分達成しています。
しかも、劇画・コミック原作による今日の娯楽映画作りの
先駆けとも言えるストーリー展開は、これまでのアイドル映画の
ノウハウを蓄積して得られた結果であり、その成果は、
その後の日本の娯楽映画復活を担う一翼として役立ちました。

1990年代以降、アイドルファンがオタク化してからは、このような
娯楽映画としてのアイドル映画が作られにくくなりました。
田村亮子のニックネームになると共に、忘れられた存在になった
映画「YAWARA!」ですが、最後の傑作アイドル映画として魅力十分
なので、是非鮮明な画像でDVD化して欲しいと思います。

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