↓原題「OUTRAGE」
↓邦題「暴走族・白昼の暴行魔」
↓暴走族に復讐する夫ロバート・カルプ
↓暴走族の一味のトーマス・レオポルド
↓妻のマーリン・メイソン
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暴走族と言っても、バイクではなく車に乗って逃げ回る人を脅し、
郊外の一軒家を破壊する等、車社会のアメリカを感じさせる
映画です。この映画は、テレフィーチャーであり、
暴行魔と言っても、強姦シーンはないので、
日本のテレビ局が、視聴率目当てで勝手に付けました。
原題「OUTRAGE」には、激怒・暴力の意味があります。
アメリカ郊外の住宅地を荒らし回り、道行く人を追い回す暴走族に
対し、裁判では未成年という事で、厳重注意に留まります。
日本の町内会に当たる集会では、
ロバート・カルプ扮する主人公が暴走族を訴える署名を募りますが、
復讐を恐れた住人達は署名しません。
遂に、見かねたロバート・カルプが、暴走族の家を破壊する
エンディングを、当時高校生だった私が見た時の違和感を、
今も忘れません。暴力には暴力で解決するというエンディングには、
旧約聖書等でお馴染みの「目には目を」という言葉を連想します。
高校生だった事で、未成年に同情し、親の世代に反発する心が、
潜在意識の中で多少働いたのかも知れません。
この話は実話であり、似た設定の実話「ウォーキング・トール」
シリーズ(1973~)や、第一作を「狼よさらば」という邦題で公開し、
大ヒットした「デス・ウィッシュ」シリーズ(1974~)、
「怒りの山河」(1976)等、同種の映画が、
この時期に集中して公開されました。
上記の映画と比べるとこの映画は、アメリカのどこにでもある郊外
を舞台とし、暴走族の犯行も小規模で殺人等は起こらず、
復讐も小規模で、暴走族に対する戒めの意味が込められています。
だからこそ、普遍的な問題が浮き彫りにされています。
60代の今見ても、エンディングに違和感を持つのは、
暴力で復讐する前に、裁判や集会で未成年達の犯行を
止められない展開だった事です。
未成年達の両親が、普段は子供に無関心なくせに、
裁判で無罪になると、子供と一緒になって喜びます。
この親の態度が、暴走族に走る子供の根源にあります。
「ボウリング・フォー・コロンバイン」(2002)という
記録映画では、アメリカの銃による暴力事件が、
他の銃社会の国と比べて圧倒的に多い事を指摘していました。
アメリカは、多民族を征服して出来た国であり、
暴力で解決しなければ安心出来ないという潜在意識を持つ国民性を
浮き彫りにした映画でした。
長きに渡る中東地域の様々な戦闘も、イスラエルを聖地と考える
アメリカを主体としたキリスト教徒と、パレスチナを聖地と考える
イスラム教徒の対立である宗教戦争です。
数年前のテロ組織イスラム国の台頭も、その根源はアメリカを
中心とした欧米の中東地域への介入に端を発しています。
暴力でしか解決出来ないと考えるアメリカが空爆を続け、
その後方支援が出来る国へ変わろうとする日本。
そんな昨今だからこそ、この映画がDVD化されて、
暴力でしか解決出来ないアメリカの原点を、見て欲しいと望みます。
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