ＤＶＤで見れない傑作映画

　マイハート・マイラブ(1980)

「マイハート・マイラブ」は、性格が正反対ゆえ口も聞かなかった 父と息子が、和解するまでの過程を描いたハートフルな話です。

管理人：タッキー 最新更新日： ２０１７年９月３０日

↓原題「TRIBUTE」 ↓邦題「マイハート・マイラブ」 ↓父親のジャック・レモン ↓息子のロビー・ベンソン ↓元妻のリー・レミック ↓ガールフレンドのキム・キャトラル ↓鶏の着ぐるみに入ったジャック・レモン ↓ジャック・レモンの親友ジョン・マーレイ

１９８０年に制作されたこの映画は、当時の「スクリーン」 「ロードショー」という映画雑誌の公開予定作品に選出されながら なかなか公開されず、１９８３年にようやく日本公開されました。 東京の単館公開だったので、地方に住んでいた私は見に行けず、 後のテレビ放映で見ました。 当時、人口２０万人程度の地方都市には、映画館が５軒程度しか なく、このクラスの作品を見に行くには、大変な労力が必要でした。 シネコンが普及してからは、１サイトに１０館程度のスクリーンが 付いているので、このクラスの作品も公開されるようになりました。 地方に住む者にとっては、便利な時代になりました。 なお、２０００年にも同名邦題タイトルの映画（原題：Playing by Heart）が公開されていますが、ショーン・コネリーや アンジェリーナ・ジョーリーが出演しているその映画とは、 全く別の映画です。この映画（原題：Tribute）は、 父親にジャック・レモン、息子にロビー・ベンソンが扮しています。 父親と息子が対立する映画は、「ある愛の詩」(1970)を始め、 数多くありますが、大抵は映画のサブ・テーマになりがちです。 このホームページで取り上げている「ターゲット」(1985)も 同様です。しかし、「マイハート・マイラブ」は、父親と息子の 対立と和解を、メインテーマに据えています。 父親と息子が対立するのはなぜでしょう。 それは、息子が父親の姿を見て、自分は父親とは違う生き方を したいと思う、若き頃の独立心がそうさせるのでしょう。 私も、２０歳前後の頃は、この映画のロビー・ベンソン （２０歳の設定）と同じように、クソが付くぐらい真面目な 性格でした。そして、私の父親は、当時の私の目から見ると、 遊び人に見えました。この映画のジャック・レモンも、 物事をジョークで誤魔化す態度が、ロビー・ベンソンから見て、 遊び人に見えた事でしょう。この父親と息子の性格の違いを見て、 他人事とは思えなくなり、映画の世界に引き込まれて行きました。 私は、社会人としての経験が増えるに従い、 職場の同僚や取引先とのコミュニケーション手段として、 社交術を徐々に身に付けて行きました。 私の父親は商売をしていたので、夜に出かけて麻雀をしたり 酒を飲んで帰ってくるのが、商売相手とのコミュニケーション手段 である事を、後になって理解しました。 しかし、父親と遠く離れて生活していた私は、 盆正月に帰省する時だけでは、父親の夜の行動を理解している事は、 照れくさくて言い出せませんでした。 父親が他界した今では、その事が心残りです。 この映画「マイハート・マイラブ」では、 父親ジャック・レモンが、広告代理店に務めているので、 私の父親と同じく、商売が上手くなければいけません。 物事をジョークで誤魔化す態度は、商売相手との コミュニケーション手段として、苦労して身に付けたものでしょう。 息子ロビー・ベンソンが、物事をジョークで誤魔化す ジャック・レモンの態度を、世の中全てから逃げていると思うのは、 ２０歳前後の若者としては、当然だと思います。 しかし、ある事がきっかけで、そんな父と子が理解し合えます。 （この先は、ネタバレになります。） ジャック・レモンは、不治の病に侵され、余命幾ばくもない状態 でした。紆余曲折の末、その事を知ったロビー・ベンソンは、 軽蔑していた父の死を知って混乱します。 父の友人から、なぜ父がジョークで誤魔化すかを聞いたロビー・ ベンソンは、考える時間が欲しいため、父に入院を勧めます。 息子「病院へ連れてくよ。 　　　僕のためにも生きる義務があるじゃないか。 　　　パパは今まで、すべての責任から逃げてきたじゃないか。 　　　今度ばかりは逃がしゃしないよ。」 父「責任逃れの罪は認めよう。だから罪滅ぼしをすりゃいいんだろ。 　　馬鹿げた振る舞いをした事のな。」 息子「それで少しは自尊心が取り戻せるんじゃない。」 父「お前は聞いて驚くかも知れないがな。 　　俺は自尊心の塊なんだよ。」 息子「もしそうだったら、見せてくれよ。」 父「一体なんのために。」 息子「息子だからさ。あんた居て欲しい時に居なかったじゃないか。 　　　今だってあんたに居て欲しいんだよ。」 入院せずに死のうと思っていたジャック・レモンですが、 息子のためを思い、入院して死と闘う覚悟を決めます。 父の激しい闘病生活を目の当たりにしたロビー・ベンソンは、 物事をジョークにする事で、周りの人々を楽しくさせる父の生き方 が、強い精神を持っていなければ出来ない事を初めて理解します。 ビデオが品切れ状態になっているのは、 買った人が手放さないからでしょう。 劇場で見れなかった人や、ビデオを入手出来なかった人のためにも、 是非ＤＶＤ化して欲しい作品です。 ロビーベンソン主演作品の他のページへ ロ ンリーウェイ 　インディアンとしての孤独を乗り越え、東京オリンピックで優勝した長距離選手の実話 管理人への御意見・御要望は、を クリックして下さい。 有料メルマガは廃止し、無料メルマガとして、2017年10月14日より、 新たに配信スタートします。下のボタンをクリックすれば、 まぐまぐの個別ページに移動し、無料メルマガ登録が出来ます。 へ

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